職人紹介

神泉

お客様の大切な「想い」を乗せる人形づくり

一刀彫のおもしろさは、面で形が捉えられているところです。省略の美しさと言うのか、細かく彫り込んだものにはない勢いや躍動感があります。その上に緻密な彩色が乗ることで、立体感が生まれる。このバランスが難しいのですが、それこそが一刀彫の最大の魅力でもあります。

自分の作品の特徴としては、太くて丸くて柔らかい印象があることでしょうか。伝統を忠実に引き継ぎつつも、それは自分の中から自然と出てくるものなので、あえて感性として活かしています。触ったときにほっと安心できるような、今の時代に明るく可愛らしく寄り添えるものを作りたいですね。

人形は、贈る人の「想い」を乗せられるものです。お子様の健康を願う想いが込められた人形は、お子様とともに成長していきます。「お客様にとって、大切な一生ものである」ことを自分に厳しく言い聞かせながら、ひとつひとつの作業を決しておろそかにせず、丁寧な工程の積み重ねを心がけています。


神泉(しんせん)
1982年高知生まれ。幼少の頃から奈良で育つ。京都伝統工芸専門学校(現・京都伝統工芸大学校)総合工芸コース木彫刻専攻卒業。その後二代目神泉に師事する。2009年奈良県展入選。2010年、三代目神泉を襲名。


神泉


伝統を受け継ぐ芯の強さと、今の時代に寄り添う感性を併せ持つ神泉の作品。丁寧な工程の積み重ねの上に成り立つ上品さと、手に触れたくなるような温かみある質感が特徴です。


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鐵山

長く楽しんでいただける「シンプル」を目指して

人形作りで大切にしていることは「シンプルであること」。華美な装飾では出せない味わい深さを常に目指しています。ただ、実は「シンプル」が一番難しい。それを叶えるために必要なのが、面とバランスの美しさです。

一刀彫は面で構成された造形物なので、面をいかに美しく仕上げるかが重要です。徹底的に道具を手入れし、彫りの技術を高めていくのはもちろん、彫っているときの気持ちも大切。技量と気持ちは作品にそのまま表れるので、常に集中力と愛情を持って取り組んでいます。

次に要となるのがバランス感覚。雛人形がかわいらしく、五月人形がかっこよくあるための、絶妙な彫りと絵付けのバランスがあります。そのバランス感覚は、多くの作品を見て、何度も手を動かすことでしか得られません。

二代目「鐡山」として先代の意匠を忠実に引き継ぎつつも、新しく学びを得続けながら、長く楽しんでいたける「シンプル」さを日々追求しています。


鐡山(てつざん)
1976年大阪生まれ。大阪芸術大学卒業。一刀彫の職人である父と彩色を行う母の影響を受け、幼い頃から一刀彫に慣れ親しみ職人の世界へ。父・初代鐡山の工房に弟子入りしたのち工房を引き継ぎ、2010年二代目鐡山襲名。


鐵山


昔ながらの伝統を忠実に引き継ぐ鐡山の作品。華やかな金箔のデザインと、木地を残したシンプルかつ美しい彩色が特徴で、年月とともに変化する木目の様子をお楽しみいただけます。


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義山

義山(ぎざん)
1957年奈良生まれ。10代で大阪欄間へ弟子入りし、1982年伝統工芸後継技術者奨励賞を受賞する。同年より、誠美堂にて一刀彫彫刻を研鑽。2002年、初代義山を襲名。


義山


力強い彫りによって培われた堂々とした造形と、繊細かつ流麗な色彩デザインを特徴とする義山の作品。伝統の技を引き継ぎながら、存在感ある華やかさと優美さを備えた作風です。


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祐誠

「他にはないものを」というこだわりに応えられる作品を

仏像のようにリアルな形に仕上げる丸彫りとは異なり、一刀彫は曲線を面で表現する手法です。たとえばボールのような丸いものでも、直線で表現する。面の頂点をどこにすれば一番立体的に見えるのか、ボリュームが出せるのか……そんな微妙な加減が、難しくておもしろいところです。法則のようなものもありますが、やっぱり実際に彫って色をつけてみないとわからない。何度も試行錯誤し、自分なりのバランスを追求しています。

また、私の作品の特徴のひとつは「顔つき」です。節句人形と言えば古風な凛とした顔つきが多いですが、くりっとした目鼻立ちの可愛らしい顔つきを好まれる方もいらっしゃる。私の場合はお客様の声を聞きながら、そういった「他にはないものが欲しい」という方へ向けて作っています。節句人形は長く使うものですから、お客様のこだわりに応えられるものを提供し、心から気に入るものと出会っていただきたいと願っています。


祐誠(ゆうせい)
1984年奈良生まれ。幼い頃より、父の仕事の関係で寺社仏閣の工芸品に慣れ親しむ。京都伝統工芸専門学校(現・京都伝統工芸大学校)総合工芸コース木彫刻専攻卒業。二十歳で誠美堂に入社し、奈良一刀彫の彫刻を研鑽。2014年、初代祐誠襲名。


祐誠


勢いのある滑らかな面に、繊細な色彩が美しく乗る祐誠の作品。初代ならではの自由な感覚をもとに作られた、個性的で愛らしい顔つきや、現代的なデザインが特徴です。


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